2011年01月30日

映画レビュー】アウトレイジ 〜本当にみんな悪人〜

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さて、以外にも北野武監督作を見ていません。
でもすごくリスペクトはしてますが。

で、この「全員悪人」というキャッチーコピーに惹かれて、チェキってみました。
だってこの「全員悪人」ってすごい良いキャッチコピーだと思うんだよね。
秀作。

で、ストーリーは


関東の巨大暴力団・山王会本家・若頭の加藤は、傘下の池元組が村瀬組と兄弟盃を交わして親密になっていることを快く思っていなかった。そこで加藤はこの2つの組を仲違いさせようと企て、池元に対して「村瀬を締めろ」と無理な命令をする。しかし命令を受けた池元は村瀬と兄弟分であるため自分からは手が出せない。これに困った池元は結局、配下の大友組に命令して村瀬組を締めさせることに成功した。だが後に、この件が元で池元組と大友組の親子闘争が勃発し、やがては山王会本家をも巻き込む壮絶な下剋上の権力闘争へと発展する。




製作者が
「どうやって人を殺そうかというプロセスを先に考え出し、それに対しストーリーを後付けした」
というだけあって、
とにかく殺しの連続。

本物のヤクザだって抗争でもなきゃ、こんなに殺してねぇだろってくらい。
殺しまくる。

でも、個人的にはスリリングで、片時も目を離せなかった!!

わかりやすく言うと、
ゴッドファーザーより
(良い意味で)コミカルで軽く、
(良い意味で)残酷。


重苦しいヤクザの世界の話なのに、
ときたまコミカルな部分が見えたりするんですよ。

残虐でへヴぃな部分と、コミカルで軽い部分の
振れ幅がたけしらしいのかもしれない。

だからこそ、飽きさせないで見ることができるというか。
人によっては、「残酷なだけで中身がない」とか
「子供に見せられない」とかいう人がいるかもしれない。

でもよくいえば
「たかが映画」
見たくなきゃ見なきゃいい。
すべての映画が子供に見せられなきゃいけないなんて誰が決めたって感じですね。
このくらい本気に暴力に向き合う映画が日本にもあってもいいじゃんって思う。

チャラチャラしてない。
やたら極悪で渋い男達が大集合。
ここは女の入る世界じゃねーとばかり、
この映画で出てくる女の描写は全部「物扱い」。
しくじればすぐ殺されるし、みんな汚い。
いいか、悪いかは別としてこれが男の世界だから、
ある意味清い。

最近の邦画に多い、チャラチャラした空気が大っきらいな自分としては
もろてをあげて大歓迎!


とにかく役者さんがみんな達者。

まず椎名桔平が超かっこいい。
武闘派の若手役なんだけど、完全になじんでる。
もともとこの人、ちょっとヤクザっぽいしね(失礼)

それと対照的なのが、加瀬亮。
昔気質のボス達を軽蔑し、カジノやヤクで稼ぐ
英語も達者なインテリヤクザを演じている。
これはこれで、加瀬亮の何考えているかわかんない感じと
ドンピシャなんですが、やっぱり彼は育ちの良さが出すぎて、
無理があったなぁ〜と(笑)。
いきなりオールバックにザングラスしてもねぇ…(苦笑)。
でもかっこよかった。

そしてベテラン俳優の國村隼。
中堅の組長として、上には弱く、下には強い。
卑怯な小悪人ぶりも最高だし、
傘下の組同士を争わせて、滅亡させようとする
大組長の北村聡一朗の極悪人ぶりもハンパじゃない。

何よりも超すげーーーーーーーーーーって思ったのが、
三浦友和。

「沈まぬ太陽」でもそうだったんですが、
この人の極悪人の演技は超最高ですよ。
なんとなくいい人そうだし、きっといい人だし、
いい人の演技も多いじゃないですか?

でも極悪人を演じる時に、目の奥から「極悪オーラ」を
出せる俳優はそうそういない。
いやー自分の中で相当、最高ランクの俳優ですよ。

そしてやはりたけし。
汚れ仕事ばかりやらされて、最後は裏切られる
組長の役をたんたんと演じている。
その姿が昭和の昔気質のヤクザって感じがして、すごいいい。
たけしって、そういう昭和な昔気質をすごくリスペクトしてるんだなぁってのが
わかる。


タランティーノがこの映画をなんと評価するか楽しみ。
個人的にはかなりおもしろかったよ。

殺し方はすごく残酷だけど…




posted by 107gou at 23:39| クアラルンプール ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 107号室的映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【映画レビュー】バトル・オブ・シリコンバレー 〜今ならGoogle Vs. ザッカーバーグでしょうか〜


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さて、ちまたじゃ映画「ソーシャルネットワーク」が話題ですが
実はPC黎明期には、こんな2人が覇権をめぐって争っていたんだよ〜
って話。

そう、それはビルゲイツと、スティーブ・ジョブス。
なぜかそんな2人を対照的に描いた映画がありましたー。
1999年作です。


ストーリーは、


アップル社の設立者であるスティーブ・ジョブズと、マイクロソフト社の設立者であるビル・ゲイツのストーリーを描く、コンピュータ業界の話題を上手に演出したドラマ。 アップル社がMacintoshを作るに至った経緯、その後なぜ、どのようにしてジョブズがレイオフされたのか、なぜここまでマイクロソフト社のビルゲイツが巨大に成長していったのかを描いている




なんかねー、まだ描くには早すぎるだろう…って思った。
なんていうかパロディに見えちゃって…
テレビ映画として製作されたからか、かなりチープ。

たった2時間で、IT業界の変化と二人の人間の葛藤を描くには
何かが足りない。
ただ、二人のコントラストの描き方は明確で、わかりやすかった。

情熱的で芸術的なジョブスと、
オタクで、戦略的なゲイツ
みたいな対比になっていたけど、本当にそうだろうか?
ビルゲイツの描き方に非常に疑問だった。
ちょっとバカにしているような描き方もあったし。

ただ、単純に
「成功するために必要なものは何か?」
というのを自分なりに探すという意味では
なかなか興味深いメッセージを発している怪作だなぁと思いました。


うーん、でもまぁまぁかなぁ(笑)。




ノア・ワイリーって最近見ないね。
posted by 107gou at 23:16| クアラルンプール ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 107号室的映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【映画レビュー】ミレニアム ドラゴンタトゥーの女 〜究極のツンレデ〜

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さて、この映画、何やら異様に評価が高いですね。
スウェーデンの有名な小説を映画化したそうで、これもヒットしたそうです。
三部作なので、その第一作目。


ストーリーは。
業家・ヴェンネルストレムの不正を報道した、雑誌『ミレニアム』の発行責任者のミカエル・ブルムクヴィスト。だが、名誉毀損の有罪判決を下され、『ミレニアム』から離れることを決める。それでもミカエルは、ヴェンネルストレムの違法行為を確信していた。
時を同じくして、大企業グループの前会長ヘンリック・ヴァンゲルが、弁護士フルーデを通じて、ミカエルの身元調査を依頼していた。調査を担当したのは、背中にドラゴンのタトゥーを入れた、少年と見紛うような小柄な女性、リスベット・サランデル。
リスベットの調査から、ミカエルを信用に足る人物だと判断したヘンリックは、ミカエルにある仕事を依頼する。それは、36年前に一族が住む島から忽然と姿を消した少女ハリエット・ヴァンゲルの失踪事件の調査だった。ヘンリックは36年経った今も尚この事件に頭を悩まされ続け、一族の誰かがハリエットを殺したのだと信じきっていた。法外な報酬と、事件の謎を解決すれば、ヴェンネルストレムを破滅させることもできる証拠を与えるという条件から、ミカエルは、この如何にも難解そうな依頼を引き受ける。
調査は予想通り難解を極めるが、36年の時を経て、ミカエルは新しい手がかりを発見する。助手が必要となったミカエルにフルーデが紹介したのは、あのリスベットだった。やがて明らかになったのは、恐るべき連続殺人の真相とヴァンゲル家の繋がり、そしてハリエット失踪事件の顛末だった。




最初。このいかにもヴィジュアル系な感じについていけなくて、
スルーしてたんだけど、ハリウッドもリメイクすると聞いて、
うっかりディパーテッドを先に見てしまった「インファナルアフェア」の二の舞は
繰り返すまい…とチェキってみました。


個人的には、うーん、小説を読んでないからかもしれないけど、
背景が理解できないと、ただの猟奇的な推理モノにしか見えなかったなぁ…
申し訳ないが、個人的評価はそんなに高くない。

映画のストーリーの中心になる失踪事件なんですが、
これがまた期待したほどのスリリングさがなかったのが、個人的ながっかりポイント。

映像もかなりキテいて、主役の2人の凹凸コンビもすごい良かったのですが、
だからこそ、このしょーもない事件の顛末に非常にがっかりした次第。

良い映画の条件である、キャラクターの人間描写の深さという点では、
合格なんですが、三部作であることを前提に作っているからか、
少しこれ単体としてみたときに、物足りなさを感じたかな。

アメリカには猟奇的や失踪事件などのミステリーモノは良作が多く、。
「8mm」とか「羊たちの沈黙」とか最高なわけですよ。
そういうスリルを感じてるからこそ、つまんなーいとなるわけで。

主人公のキャラクターがすごく良かっただけに、
もったいないなぁ…
二作目への期待値は大幅減です。


と酷評しましたが、
キャラはなかなか良くて、
主人公のリズペットのおもしろさで突き進んでる感アリ。

ピアスだらけで、錨打ちの革ジャン着て、天才ハッカー。
ロクにクチも聞かないと思ったら、いきなり夜這いしてきたりする…
なんだこのツンデレは!?ってかなりおもしろい。

でも全部が唐突すぎて、キャラクターに共感の接点が見いだせないの痛い…

うーん、ダヴィンチコードのほうが、スリリング。
もしかしたら、スウェーデンという国に潜む闇みたいのを
社会背景として理解していないとこのおもしろさは理解しきれないのかもしれない
と思った次第。






主人公の女優さんは、普段は超清楚な感じでびびったよー
posted by 107gou at 22:52| クアラルンプール ☔| Comment(0) | TrackBack(0) | 107号室的映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月23日

【映画レビュー】少年メリケンサック 〜ありそうで無かったパンクムービー〜


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さて、ワタシは、クドカン作品が大好きです。
どの映画見ても、つまらなかったことがない。

そんなクドカン監督作品。
宮崎あおいがいることで、
清涼な感じに見えますがはたして?


ストーリーは、
レコード会社OL・かんなが、動画サイトで見つけた〈少年メリケンサック〉のライブ映像。
そこには凶悪な絶叫パフォーマンスのイケメンが!!
契約を取るために会いに向かうと、そこにはなぜか酔い潰れた50歳すぎのオッサンが!!
「これ誰っ!?」・・・
かんなが見つけた映像はなんと25年前のものだったのだ。
かんなの驚愕をよそに、〈少年メリケンサック〉の人気はネット上で大爆発!サイトはパンク寸前!全国のライブツアーが次々と決まっていく・・・。このまま出たら暴動必至。
果たして、かんなと〈少年メリケンサック〉の命運は!???
全国ライブツアーは成功するのか???




やっぱり、めっちゃおもしろかった、1秒も飽きなかった。

ホントにムダにおおげさで、ムダに騒いでて、ムダにB級なんだけど、
結果的にムダじゃない。
なんでクドカン作品って上滑りしないんだろう?

自分が思うに、クドカン作品ってアホアホなノリとかの
裏にすごく強いメッセージがあって、熱い思いがあるからなんだろうね。
笑えるのに泣けるというか。


この映画も、ベタなおっさんの感動の中年青春ムービーにだって
なりかねないんだけど、パンクへの思いみたいのが熱く感じられるからこそ、
感動できるんだと思った。
結局、どんなにガチャガチャしたコネタ満載でも、
ひとつ熱いメッセージが筋として通ってないとただの映像集になっちゃうんだよね。

タランティーノだって、トゥルーロマンスとかすごく感動できるのもそれ。
クドカンって想像以上に良い意味で青くさい人だなぁ〜って、
もう40歳近いのに、高校生くらいの頃の憧れや青春時代の甘酸っぱさを
引きずって、それを大切にしてるなぁ〜って思う。

こんなものづくりができる人は心からうらやましく思う。

俳優陣がとにかく器用。
佐藤浩市が超ウケる。
元イケメンベーシストで今はどうしようもないオッサン役なんだけど、
キマジメなキム兄との対比がおもしろいし。やっぱり一番は
田口トモロヲ。
ロクにしゃべれない元ボーカルを演じてるんだけど、随所で存在感をバシバシ発揮。
このオッサンバンド4人の個性が強烈すぎる…笑。

さらに良いのが、宮崎あおい。
このオッサン達に囲まれて、まったくキャラがかすまないのって、すごすぎる。
若手女優でアタマひとつ抜けているのも納得の存在感です。

毒々しい元パンクのおっさん達の中で、
おっさんに振り回される素直で透明感あるキレイなお姉さん役ではなくて、
もうちょっと毒のある部分を混ぜることができたのが大正解。

いやーおもろかった。
ユースケサンタマリアも良かったし。

パンクって結局、スタイルじゃないんだよね。
最近のロックバンドや、
そんな自称パンク達に対するクドカンなりの想いもあるんじゃないかなぁ。
(このブログにもパンクについて、名乗りもしないでアホなコメント残した
通りがかりの似非パンク野郎みたいのも一緒だね)




音楽は銀杏ボーイズだそうです。
posted by 107gou at 16:31| クアラルンプール ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 107号室的映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【映画レビュー】ボディダブル 〜ムダに高等テクニックを駆使した逆ギレB級ムービー〜



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(すいません。だいぶ更新が滞りました。
今もなお、ですが、
超がつく多忙のため、何もできんかったデス。だいぶたまってきたレビューや
記事などを少しずつ時間を見て放出します)

さーて、なぜかブライアン・デ・パルマ監督です。
なんとなく、デンパルマ監督の画角などを研究したかったので。

巨匠ブライアンデパルマ監督が、若干落ち目の時代に、撮った
B級テイスト溢れるエロティック・サスペンスです。
(80年代〜90年代って、こういうジャケット多かったよね。
どうでもいいですが、最近エロティックサスペンスの名作は少ないよねぇ)


ストーリーは、

恋人の浮気を発見してしまい住むところを失ったB級恐怖映画俳優ジェイク。
閉所恐怖症で、棺桶に入る吸血鬼役の仕事も奪われ、途方にくれる中、
偶然知り合った友人サムに依頼され、彼の豪邸の留守を預かる名目で
その家にしばらく居候することに。

部屋の窓には備え付けの望遠鏡があり、
覗くと、毎日同じ時間に隣の豪邸に、セクシー美女の姿を見ることができた。
しかし、その淫靡な姿は彼を悪夢に誘い込む第一歩でもあった…。


これはこれでおもしろいな〜っておもいましたー。
どうやら
「ヒッチコックのパクリ」と「女性蔑視だ」とか「暴力的」とか
言われて、名匠デパルマ監督がブチ切れて、作った作品だそう…

で、その通りで
隣の窓を覗くというのはヒッチコックの「裏窓」だし、
展開も完全に一緒。
「閉所恐怖症」はヒッチコックの「めまい」から。
「女性蔑視」で言うと、女性は殴られるし、ムダに脱いでるシーン多いし、
「暴力的」で言うと、そりゃもうドリルで殺したりとかヒドイんですよ。

そして主人公も別にみんなが応援したくなるような人じゃなくて、
隣の豪邸の美女が気になって、何をしてるのか追いかけまわす姿は
完全ストーカー(その美女が捨てたパンティをポケットに入れたりとか:笑)。

正直、ロクでもないシーンの連続。
突然、よくわかんないラブシーンになって、
そこで無駄に高度なカメラテクとか駆使してきたりとか。

とにかくすべてがブラックユーモアなんじゃないかって思う。

真面目な映画として見たら、たぶん気に入らないだろうし、
開き直って極上のB級感を楽しむほうが良いと思う。

うーん、これってなんだろう?って思ったら、
タランティーノ的なんですよね。

タランティーノのほうがオシャレで、大技な感じがするけど、
デパルマの、「絶妙にわかりづらい」無駄なテクニシャンぶりも嫌いじゃない。

ストーリーも若干べたですが、監督の腕は不必要にうまいので、
これはこれで楽しめるかもー。
映画タイトルが「ボディダブル」って時点で
トリックばれてんじゃん!って突っ込みはなしで…笑
(主人公もまたボディダブルであり、留守をしてのぞきをするボディダブルでもある)


映像自体はそれなりにスタイリッシュで、70年代・80年代テイストが良い感じに
出ているので、映像素材としてもVJの方はオススメです。

ってか、映画やPVのシーンを素材に使うVJっているけど、
使っている映画やPVがベタすぎんだよね。
曲りなりにも映像やってんだったら、もっと映画とか見なさいよって
DJするとき思う。

デパルマとか結構オススメなんだけどなぁ〜。
(ステークアイズの殺しのシーンとかかっこよいよー)


あとメラニー・グリフィスがポルノ女優役で出ています。
それはそれですごくかわいいのですが、
ここ10年くらいのメラニー・グリフィスの整形顔しか知らなかったので、
全く彼女だって気がつかなかった!(恐るべし…)




赤と黒ってB級に必須の色よね。

posted by 107gou at 16:12| クアラルンプール ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 107号室的映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月13日

【映画レビュー】エンター・ザ・ボイド 〜フランス風トーキョー・ドラッグムービー〜


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出たー、キター

ブインブイン!
衝撃の映像体験。

久々に強烈な一発を食らった映画に出会いました。
良い映画もいいけど、狂ってるけどハマっちゃう映画ってあるもので。
この映画がそれ。


「アレックス」で世界に衝撃を与えた鬼才ギャスパー・ノエ監督が、
なんと今度のテーマに選んだのは東京!
それも歌舞伎町!

さてストーリーは?

東京にやってきたばかりの兄オスカーとその妹リンダ。オスカーはドラッグディーラー、リンダはナイトクラブのストリッパーである。ある夜オスカーは警察の捜査に遭い、拳銃で撃たれてしまう。意識が遠のくなか、リンダとの “決して離れない“という約束を守るため、死ぬことを拒んだオスカーの魂はこの世にとどまることとなる。魂は街をさまよい、彼の視界はどんどん歪み、悪夢のようになっていく。過去、現在そして未来が、幻覚の荒波の中で融合していく。



まず絶対VJには、見てほしいのが、
この映画のオープニング。

クソかっこいい!
いや、最初見たとき「は!?何これ?」ってなった。

色んなフォントやロゴのグラフィックでクレジットが高速表示されて、
エレクトロパンクな音がかっこいい!(なんとダフトパンクの片割れ)

だから、エレクトロギンギンな映画かなぁ〜と思ったら、
結構、もやもやしたドラッギーな映画でした。

舞台は歌舞伎町で、だいたいこういうトーキョーを舞台にした映画って
誤解が多いんですが、なんでもアリな歌舞伎町を舞台ってある意味正しくて、
「あ〜歌舞伎町ならこういうこともありえるなぁ〜」って
コドモの頃から、歌舞伎町で遊んだりしてた私なんかは思うわけです。

この映画みると思うのが、「東京の当たり前って、世界のビックリなんだな」ということ。
特にヨーロッパ人に「東京ってどう思う?」って聞くと面白い答えが返ってきます。

たとえば
「普通の地図じゃ絶対に迷う。3次元な感じ」
(高いビルも多いし、ビル同士つながってるなど複雑なので)
「トラックが右折したりするときに、声が出てビビった!」
(佐川急便のトラック「右に曲がります」とかいうあれですね)
「ネオンが多い!」
(これはよくいわれますね)


そんな「違和感」を普通に理解できない世界として描く監督は多いんですが、
心地よい気持ち悪さとして作り上げたのはこの監督が初じゃないでしょうか。

基本的に、主人公が即効死ぬので、
全ての視点は、死にきれないで、彷徨う主人公の魂の視点です。
意味わかんない展開とかもあるんですが、
この映画を見るうえで、頭に入れてほしいのが
「輪廻」ということ。

すべての物事には何かの結果がって、原因があって、
つながって、車輪のようにグルグルと発生していく。

その輪廻がこの映画でも発生します。
そこを理解してみるとなかなか楽しい。

すべて、しかたないとしか言いようがない…
結局、すべてタイトルの「Enter The Void」(voidは無という意味)なんですね。
非常に哲学的。

でも映像はめっちゃドラッギーでスタイリッシュ。
いやスタイリッシュなんて言っちゃいけないな。

ギラギラしてるし、ギンギンしてる。
暴力描写と、セックス描写は過激だし。

個人的にはProdigyのSmack My Bitch UpのPVを思い出しましたね、
カメラの視点も含め。
画面酔いするかも。
好き嫌いははっきり分かれると思いますが、
自分は、自分の軽薄な狂気に訴えかけてきて、好きだったなぁ。


でも、このギラギラとしたマテリアルな未来都市だからこそ
見える、精神的な哲学ってあるよなぁって思った。

超かっこいいー。東京に生まれ育ってよかったー。


この映画が好きな人は、
「Acid House」や邦画だと「カクト」とかオススメします





クラブ「void」の場所が気になる

posted by 107gou at 01:15| クアラルンプール ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 107号室的映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月10日

【クリエイティ部】サッカー、アジアカップのカタールCM 〜ベタな企画を意味あるものにするには…〜


さーて、いきなり「日本代表、大丈夫!?」からスタートしたサッカー、アジアカップ。
そのCMを開催国カタールの広告代理店IMPACT BBDO QATARが作っております。




日本の侍や、中国、韓国、イラン、アラブなどアジアカップに参戦する各国の兵士が
砂漠に集い、はや戦争!となる。

一人の少年がサッカーボールを真ん中におき、キックオフを宣言すると
みな、武器を捨て、よろいを脱ぎ、サッカーを始める。

その表情は笑顔で、よりエキサイティングなものに…


うーん、ハリウッド並みのスケールでやってくれましたね、金満カタール(笑)。

サッカーは各国がガチンコでぶつかり合う、ある意味「戦争」な競技です。
でも、もちろん殺しあうことじゃなくて、もっと「平和」なもの。

そのニュアンスを非常にうまく捕らえています。

ベタっちゃぁベタなんですが、
幅広い文化がそろい、ひとつのボールを蹴る。
そこに笑顔が生まれる。

何かと不穏なアジアだからこそ、このCMにすごく意味がある気がする。
ベタなアイデアでも、時代の空気をちゃんと捕らえていれば、
それはベタじゃないという典型的な例ですねぇ。

posted by 107gou at 14:15| クアラルンプール ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | クリエイティ部(ちょっとクリエイティブなオハナシ) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【映画レビュー】フォーエバーヤング 〜J.J.エイブラムスの小技〜

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さて、古い映画ですが、J.J.エイブラムスの手法を研究しよう特集(?)の一環で
チェックしてみました。
まぁ今更J.J.エイブラムスって誰?って説明するのもアレなんですが、

この辺の記事でも読んでみてください。
J.J.エイブラムス・クロニクル - 天才の仕事


何げにエイブラムス監督の作品は、
結構チェックしていて、
こんなにあります関連記事。

【映画レビュー】心の旅 〜こんな頃から才能発揮のJJ〜


【映画レビュー】スタートレック 〜スピルバーグの道はまだまだ〜


【クリエイティ部】JJエイブラムスの講演 〜謎の箱〜
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【映画レビュー】クローバーフィールド/HAKAISHA  〜ブレアウィッチの衝撃再び…〜



まぁワタクシがかなり注目し、研究し続けているクリエイターの一人です。


で、このエイブラムスが若干26歳の頃に、脚本と製作総指揮でかかわった映画。
メルギブソン主演で、当時子役だったイライジャ・ウッド(「ロード・オブ・ザ・リング」)を
スターに押し上げた映画です。


前フリが長いですが、ストーリーを
1939年、古き良き時代のアメリカ。ダニエルは、いとおしい恋人ヘレンに「結婚しよう」の一言が言えないでいた。そんなある日、ヘレンが彼の目の前で交通事故に遭うという悲劇が起きた。連日の手厚い治療にも拘わらず深い眠りから覚めないヘレン。絶望したダニエルは、軍が極秘に研究を進めていた人間冷凍装置の実験台に自ら志願してしまう。それから53年。1990年代に目覚めた彼は、時代の激変に愕然としながらも、ヘレンが生きていることを知るや、かつて言い出せなかった事実の一言を伝えようと決意するのだった…。


もうこれはアイデア勝ちでしょう。
別に特段、風変わりでもないし、ごくごく普通の映画なんですが、
完全オリジナルの脚本で、こういうアイデアを作れたのはすばらしいです。

時を越えて、いえなかった告白をするというのは、なんともロマンチック。
ラブストーリーの少ない印象のあるエイブラムスですが、こんな小技も持っていたのね。

エイブラムス監督の特徴というと
「謎」と「登場人物に人間くさいディテール」だと認識しているのですが、
この「謎」めいた部分はこの映画にはほとんどありません。
妙に想像させたりも特に無い。
あと「人間くさいディテール」ですが、主役のメルギブソンは
結構うまくキャラを深堀りできてたなぁと思いますが、その他はそうでもない。

まだ最強のエイブラムス節は発揮されていない印象。
彼が企画したTVドラマ「フェリシティの青春」ではその辺、
完成しているので、この間に進化したのでしょうかね…
彼の1992年から1998年まで6年間がなぜか空白だし。

あと個人的にいいなぁと思ったのが、
1930年代のアメリカをきちんと再現したプロダクションデザインの素敵さ。
これいい仕事してますよ。
古きよきアメリカってこういうのなのかなぁ。

そういう世界観作りって、ロマンチックなストーリーほど、
ちゃんと作りこまないといけなくて、
こういうディテールから、雰囲気って生まれるからね。

結論は、誰が見ても、素敵っちゃぁ素敵な映画です。
女性はこういうのどう思うんでしょう?
意見が聴きたいところですねぇ。





メルギブソン若いなー
posted by 107gou at 14:06| クアラルンプール ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 107号室的映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

【映画レビュー】パレード 〜恐怖のモラトリアム〜


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さて、新年一発目は、パレード。
なかなか見る機会無かったんですが、
藤原竜也、香里奈、貫地谷しほり、林遣都、小出恵介という
このキャストの妙に売れ線な感じが、先入観を与えてしまうというか。


それはともかく、久しぶりの行定勲監督です。

ストーリーは
映画会社勤務の直輝、イラストレーター志望の未来、フリーターの琴美、大学生の良介たちは、
2LDKマンションで共同生活を送っていた。それぞれが不安や焦燥感を抱えながら、
怠惰な共同生活を続けていた。
酔っ払った未来がつれて帰ってきた男娼のサトルが現われたことで変化が起こり始め……。



よくできた映画ですねぇ。
行定監督というと「セカチュー」ですが、
実は、「GO」とか「ロックンロールミシン」とか「きょうのできごと」
など若者を描いた映画に秀作が多いイメージありますね。
上記3作品は個人的にも好きです。
この方は若者の群像劇を描くのがうまいなぁと。
「きょうのできごと」に顕著。


で、この映画ですが、原作が有名なだけあって、
ネタはおもしろいわけですよ。

テーマは「モラトリアム」らしくて、
おもしろいのが、みんな誰かは誰かの秘密を知っている。
本人が秘密だと思っていても、誰かがその秘密を知っていて、
それをバラしてしまえば、このシェアハウスという「モラトリアム」空間が壊れてしまう。


ぬるま湯かもしれないけど、みんなこの「モラトリアム」が心地よいと思っていて、
お互いそれを表にしない。
彼らは一緒に暮らしているけど深い人間関係じゃない。
近づきすぎれば、お互いの真実や秘密から目を背けられない。

うむうまくできている。
シェアハウスといっても、明るい感じじゃなくて、
外はお日様なのに、薄日が差すような日陰っぽい部屋の演出などは、
この家の感じをうまく出していて上手だなぁと思った。
ここで、明るいシェアハウスにしちゃうと意味合いが変わるしね。

個人的にラストシーンは、ちょっと説明しすぎかなぁと思った。
まぁああいう風にするしかないだろうけど、答えを与えすぎというか、
え?マジで?ってなったし。
もうちょっとひねりまくってもおもしろかったなぁと。
そこが残念。
でも全体的にクオリティ高くて、やっぱり間違いない監督なんだなぁと。


各人ですが、
俳優陣は勝手に決め付けてごめんってくらい、
みんな良かったと思います。
失礼な話ですが、香里奈って演技できたんだ!?とか、
小出恵介って結構使いやすそうな俳優さんだねとか、
思いましたねぇ。
香里奈は結構ハマリ役だった気がするけど、
役の幅を広げられるかというと謎。
男勝りなオンナ役が似合いすぎるのよね(笑)。
みんな良かったけど、どこか存在感が不安定。
まぁこのモラトリアムな映画にはそれがいいのかも。

結局、ある意味「ベテラン」の藤原竜也がいたことで
ちゃんと引き締まった感はあったりするという…笑

ただ藤原竜也が童顔すぎて、一番年上に見えないという残念さ。
個人的に藤原竜也は、声がいいよねぇと思う。

あとどうでもいいですが、
貫地谷しほりは、みひろにしか見えない…




シェアって結構楽しいよ。
posted by 107gou at 13:45| クアラルンプール ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 107号室的映画レビュー | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2011年01月03日

改めて…Happy New Year 2011

Happy New Year 2011!!

Our beginning of 2011 was very beautiful sunrise.
I strongly believe that this year would be great for us.


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(Photos by Yo-Ichi Nishikawa)


I hope this year will be good for you.
posted by 107gou at 23:23| クアラルンプール ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | ニッキ(私的レポート) | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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